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定休日の出来事でおます。

ワテの元へ、沢山の料理人の卵が訪ねて来ます。
毎回、彼等にテーマを与えて調理させます。

ワテの教え方、材料を見て作りなさい。
一風変わった教え方。

実はね、若い頃に愛知県の調理師学校に一年間やけど、月に一度教えに行ってましてん。
講義の際に、材料と調味料だけを書いて、分量を教えない。
見て覚えろ。

生徒からは、他の先生は、全部分量を教えて貰うのですが、何故、教えないのですかと尋ねられましたんや。

ワテの回答。
そんなもんね、いざ現場に入れば通用せえへんでだす。

ホンマにあほかですわ。
一々分量を量っていたら、通用しまへんわな。
知識と技術と経験と勘が頼りですわ。

だからね、皆さん、寝ててもええよ。
寝てたら分からんもんね。
どうぞお好きにですわ。

ほんだらね、誰も寝よらん。

学校長も他の先生方もワテの教えか方に最初は、驚いてましたわ。
呆れてたんと違いますかな。
それでも、誰も一人も寝よらん。

彼等の作品も意外とちゃんと出来てます。

申し訳ないが、調理師学校の先生、現場知ってる?
確かに知識と技術は、凄いと思います。
流石に教えてお金を貰って生活してはります。
ワテ等、かないまへん。

そやけど、現場では、通用しまっか。

お菓子は、全て計量せなあかんと言われてます。
お菓子の世界は、ワテには、分かりまへん。
分からんもんは分からん。

そやけど、調理は、違いますわな。

その時の野菜が旬か旬でないか。
野菜の保存状態や切り方や細工で変化します。
油の温度や鍋の状態も違います。
その都度判断して、調理します。

そやから、同じ食材や設備を使用しても、全く異なった料理に仕上がります。
同じ店でも、作り手が変わると違いますねん。

それが、現場でおますわ。

学校長からは、専任の教師を依頼されたんやけど、丁重にお断りしましたわ。
だって無理やもん。
将来、独立するし、自分の抱えている仕事を投げ出されへん。

当時は、トライアスロンしてました。

バレーボールのチームの代表もしてました。
バレーボール連盟の会計部長も任されてました。
バレーボール協会の審判員も兼ねてました。
その上に、大阪が好きやねん。
大阪を離れたくおまへんねん。
それ以上に、家のローンがおます。
無理無理。

話に戻ります。
調理師学校を卒業して2年。
今、見習い中の若者に材料だけを見せて、調理させました。

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上出来でおますわ。

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アスパラが綺麗な色で仕上がってます。

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大黒本しめじも油ぽくなく丁度ええ塩梅でおます。

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つぶ貝。
ナイスな調理。

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我がのご飯と烏龍茶と共にね。

ホンマにね、他店の子でもええ。
関係ないわ。
若者が育って美味しいもんをお客様にお食べ頂いて、その上に彼らが食べて行けたらええねん。
ワテ等が、後進の育成をせな業界が発展しまへん。

尚且つ、安心安全な食を世間に広めて欲しいねん。
一人でも多くの料理人が、食の安全に目覚めて欲しいねん。
若者なら受け入れてくれる要素を持ってます。

古い料理人、さて、どうか?

それぞれの環境もおます。
分かっていても出来ない状況もおます。
致し方が無い事も承知してます。

若者なら今から目覚めて歩んで行けば、下地があれば出来ると思います。
その為に、ワテ等年寄りが彼等のお役に立てれば幸いと思います。
一人でも多くの若者が育ってくれればええ。

でもね、美味しいもんを食べると、幸せでんな。

若者を嬉しそうに自分で作ったもんを食べてた。

それも、美味しいそうにね。

満面の笑みやったわ。

最高でんな!
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